初心者稽古の卒業はいつ?

わたしたちの道場は、「大人の初心者」を対象とした道場です。

大変こじんまりした道場ではありますが、数か月に1回程度、新しい生徒さんが入門されます。

私たちの道場では、先生が、お1人で指導されていますので、

新しく生徒さんが入られる際には、先輩剣士たちも初心者さんと一緒に、構えや足さばき、素振りなどの基本動作を稽古します。

私はこの道場に入門して約10年になります。その間、何度もこうして初心者さんと一緒に、基本動作の稽古をする機会があったのです。

ここだけの話・・・

正直に言うと、最初の頃は、「えー・・・せっかく、最近、応じ技の稽古していたのにぃ~、また、すり足からぁ?」っと、初心者さんに合わせて稽古内容が変わることを、少しだけ不満に思ってしまう自分がいました。

えー

また戻るのー?

というのも、おそらく、当時の私は、

🌸初心者のときに学ぶこと🌸 = 🌸簡単なこと🌸

と、思っていたのだと思います。

実際、一本打ちの技だけでなく、連続技、応じ技、地稽古など、徐々にいろいろな技を学んでいくうちに、初心者のころに教えてもらった足さばき、構え、竹刀の扱い方などの基本動作については、心のどこかで、その存在を軽んじていたようにも思います。

こうした基本動作について探求するよりも、「どうしたら相手に勝てるか?」・・・そんなことばかり考えるようになっていたのです。

ところが、そんな私とは裏腹に、私の対戦成績は、惨憺たるもので、負けてばかりでした。

私が試合に勝てない理由は、沢山ありました。

「ありました」じゃなくて

「あります(現在進行形)だったわ」

身体能力の限界、メンタルの弱さ、試合経験不足・・・・数えはじめたらキリがありません。

でも、私が、一番気になったのは、動画に映っていた「みっともない動きをしている」自分の姿でした。

なんで、こんなに「みっともない自分」になっているのだろう?っと、動画を視聴するたびに、心がえぐられる思いがしました。

それでも歯を喰いしばって、何度もその動画を見ていいるうちに、その理由がわかりました。

当時の私をひとことで表現すれば

私は、ピョンピョン飛びはねていました。

私は、ぶるんぶるん竹刀を振り回していました。

つまり、そこには、普段の稽古で、先生から教えていただいた要素が1つも入っていなかったのです。

すり足を使って、注意深く動く私の姿は、そこには全くみられませんでした。

構えた状態から、自然に面に打ち出す姿も1つも見られませんでした。

だ、誰、これ?

あ、あたしだわ・・・

これは、一体、どういうことかと思いました。

日々の稽古で研鑽してきたはずのものが、まったく現れていない、この現実の原因はどこにあるのだろうと?

答えはすぐにわかりました。

私は、研鑽している”つもり”だったのです。

みっともない姿をした自分が現れた理由は、ひとえに、私が、足さばきや構えなどの基本動作を、研鑽するどころか、軽んじてきたからだと思いました。

このときに、ようやく気付いたのは・・・

先生が初心者に、まず最初に、構えや足さばきを教えてくださる理由は、それらが、初心者でもすぐできる「簡単なもの」だからではありませんでした。

これらが、剣道をやっていく上で「一番大事なもの」だからだったのです。

セロリ先輩
セロリ先輩

剣道形の順番もそうだよね

あ、セロリ先輩!

こんにちは!

いつの間に現れたの?

私は、まったく、分かっていませんでした。

正しいすり足ができるようになることで、自分の動きにどんな可能性が生まれるのか

正しい構えを保持することで、そのことが自分に何をもたらしてくれるのか

すり足の稽古も、構えの稽古も、素振りも、地稽古や試合と比べれば、エキサイティング要素がないから、どうしても地味に感じられてしまうことがあるかと思います。

でも、正しい構えと、足さばきができていないと、自分が打ちたい!っと思った瞬間に、正しい打ちが出せないんだ・・・・ということに気づいたときから、私の中で、構え・重心・足さばき、この3つは、宝箱に眠る3つの金塊となりました。

えへへ

金塊トリオです

初心者の頃に教わったことは、「もう卒業した内容」ではなかったのです。

これから先も、ずっと磨きつ続けなればならない自分の剣道の「土台」となるものだったのです。

どんなときにも、自分と一緒に闘ってくれる「大切な相棒」だったのです。

こうなってくると、初心者さんとのお稽古も、私の中でその位置づけが大きく変わってきました。

これまで、自分がおろそかにしてきたことを、急いで、取り返さないといけないですからね♪

今となっては、初心者さんと一緒に、基本動作を、ゆっくり時間をかけて修正できる稽古は、私にとって、とても貴重な時間となっています。

初心者の頃から、こうやって丁寧に基本動作を学んでいたら・・・っと、ついつい思ってしまいます。

実は、私は15年前に剣道を始めましたが、そのときは、今とは別の道場に所属していました。

2年間、稽古を積みましたが、諸事情によって、今から10年ほど前に現在の道場に移りました。

「三つ子の魂百まで」ではないですが、初心者のころに、間違えて自分の身体に叩き込んでしまった悪癖を直すことは、本当に難しいことだと日々実感しています。

構えたときに、やや後傾気味になっていた私の姿勢を、たった5°前方へ修正するだけで、1年近くを費やしました。

そして、いまだに、送り足をした瞬間、左膝が意味もなくわずかに曲がっているのを感じています。

本当に不思議なくらい・・・どうして、こんな簡単なことが、自分はいつまでたっても直せないのだろうと思うことが沢山あります。

これまで軽んじてきたツケが、今になって回ってきました。

目を背けることもできないので向き合うしかないですね。

やるしかないのだ!

たとえ、自分が初心者でなくなり、剣道具を付けて、次のステージに移ったとしても

金塊トリオである「構え」「重心」「足さばき」は、

剣道を続けていく中で、私が探求しつづけるべき最重要学習項目だったのだ・・・っと、自分の意識を変えて取り組んでいる今日この頃です。

私の隣にいる初心者さんは、初めて習う足さばき稽古に対して、本当に純粋なお気持ちで、真剣に取り組んでおられています。

お稽古楽しい~♪

私は、そういった初心者さんの姿勢に、日々、心を洗われています。

初心者さんの存在のおかげで、

今度こそ、1つ1つの動作の意味を丁寧に考え、「研鑽」していけるように頑張ろうと思えてきます。

そんなわけで、明日も稽古に行ってきまーす♪

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