形における足さばき

あるところに、2人の子供を抱えるお母さんがいました。

お母さんの名前は、「すり足」さん。子供たちの名前は、「送り足(おくり)」ちゃんと、「歩み足(あゆみ)」ちゃん。

お母さんは、二人を分け隔てなく育てきましたが、子供たちは、成長するにつれ、だんだんとそれぞれの個性を発揮してくるようになりました。

歩み足ちゃんが、お母さんに胸を張ってこういいます。

「お母さん!私は、たった一歩で、こーんなに遠くまで歩けるんだよ!すごいでしょう!」

歩み足ちゃん
歩み足ちゃん

一歩で、遠くまでいけるんだ

すると、送り足ちゃんも、負けじと、お母さんにアピールしてきます

「お母さん、見て見て!私は、身体を大きく動かさなくても、こんなに素早く、ササっ!っと移動できるんだよ!ササっ、ササっっ、ササっ!ね、忍者みたいで、すごいでしょう!」

送り足ちゃん
送り足ちゃん

うふふ、相手に気づかれずに近づけるぞ

すり足お母さんは、二人の子供たちが立派にそれぞれの長所を理解して成長している姿を誇らしく思いつつ、子供たちに優しくこう語りかけるのでした。

「二人とも、すごいすごい。その調子で、いつなんどきも、あんたたちは、お母さんの自慢の子供だってこと(すり足の血が流れていること)を忘れずに頑張るんだよ」

すり足ママ
すり足ママ

えらい、えらい

はーい!歩み足は、すり足母さんといつも一緒だよ

はーい!送り足も、すり足母さんのこといつも忘れないよ

お・し・ま・い。。。。

違う!違う、「おしまい」じゃありません。ブログはここからです!

さて、今日は、剣道形を稽古していて、考えたことをしたためようと思います。

冒頭の「すり足ファミリー」にも関連することです。

私たちの道場では、剣道を始めたばかりの初心者さんであっても日本剣道形太刀の形7本、小太刀の形3本の稽古を日々重ねています。

道場には、先生が1人しかいないので、参加する生徒の人数やレベルによっては、ときどき、私やチューダン君などの、いわゆる、先輩が初心者を指導しなければいけないときがあります。

チューダン君
チューダン君

僕なんかが教えちゃっていいのかなーって

自信ないっすけどね・・・

日本剣道形について、何も知らない生徒さんに、1つ1つの形を上手にやってもらえるようにするためには、まずは、教える側である私たち先輩軍が、その形について十分理解していないと、初心者さんに剣道形を学ぶ楽しさを伝えることができません。

すぐに上手にできなくても、

学ぶ楽しさは感じて欲しいんだ

最近、思います。

日本剣道形って、なんか、「するめ」みたいだな・・・と。

するめ君
するめ君

え?僕?

なんで・・・

つまり、噛めば噛むほど味が出てくるというか・・・ところで、欧米にも「するめ」のようなものはあるのでしょうか?

つい最近も、自分の形の稽古をしていたり、初心者さんが形を学ぶ姿を見ていて、ふと疑問が湧いてきました。

それは、形における足さばきについてです。

形を行う際、太刀一本目から小太刀3本目まで、ずべて「すり足」で行うことは理解しています。っというか、形に限らず、竹刀剣道でも、すり足だよね。

しかし、7本目で、何故、元立ちが大きな面を打つときには、左足から歩み足で打つのだろうか?

とか

何故、3本目で、打太刀・仕太刀ともに、攻防を繰り広げる中で、お互い、送り足と歩み足を使いわけているのだろうか?

とか、

何故、5本目で、仕太刀は、残心を取る際、歩み足を使って後退するのだろうか?

などの、送り足と歩み足、それぞれの出番について、その理由を、自分が十分に理解していないことに気づきました。

そこで、思い出すのが、冒頭のすり足ファミリーの寸劇トークです。

歩み足ちゃん、送り足ちゃん、それぞれに長所があるわけです。その長所が生かされるべき状況で、これらの足さばきが使われるはずだ・・・と考えていくと、おのずと、先ほどの3つの謎も、徐々に紐解かれていく気がしています。

と、同時に、それぞれの足さばきが、理にかなった状態で発揮されるような状況を、しっかりと私は、作ってきてただろうか?という疑問が次に湧いてきました。

距離を稼ぐときには、歩み足ちゃんの出番なのに、歩み足ちゃんが、その長所を生かすことができない間合いでは、あえて歩み足ちゃんでなくとも、送り足ちゃんに任せてしまえばいいわけです。

でも、それだと、定められた形を正しく行うことができません。

歩み足ちゃんが自分の出番をあきらめなくてもすむように、1つ1つの動きを、打太刀と仕太刀が気を合わせながら、歩み足ちゃんの晴れの日の舞台を用意してあげなくてはいけないってことですね。

なるほどなぁ~・・・っと、歩み足と送り足の使い分けについて、なんとなく頭が整理されてくると、今度は、その流れで、ふと、次の疑問が湧いてくるのです・・・

あれ?なんで、太刀3本目と7本目では、突きに対する仕太刀の応じ方の方向が異なるのだろうか?

とかね・・・。

でも、これも、するめをクチャクチャ噛むように、よくよく考えていると、あ!ひょっとして!っと思う答えがなんとなく見つかってきます。

そうすると、今度は あれ?そもそも、3本目の突きと、7本目の突き動作には、どんな意図が含まれているの?っという別の疑問が湧いてきます・・・。

こうやって、本当に1つ1つ、掘り下げて考えていると(クチャクチャ噛み続けていると・・・)

ほんっとに、剣道形って、すべての動きに、理合があるのだなあ・・・っと、思わず、溜息がこぼれます。

嚙みすぎてもう顎が痛いわ

「この動きしかないんだよ!ここでは!」っていう感じ。

これが、いわゆる「理合」というものでしょうか?

これを勉強することが、竹刀剣道にもつなげていって、いつの日か私も…

「ここでは、この技しか出せないんだよ!」っていうくらいに、自分の剣道に自信をもちながら稽古を積んでいけたらいいなあっと思いました。

形の足さばきを、理合とともに教えていくのか

右・左・右・・・と、How toだけを指導していくのか

初心者さんの数年後の剣道形への理解、ひいては、竹刀剣道の成長に大きな影響を与えることになりあそうです。

いやーん!教える側は、責任重大~!

チューダン君、セロリ先輩、すり足ファミリーの皆さん、一緒に頑張りましょうね!

あ、するめ君も!

するめ君
するめ君

キャッ!

忘れないでいてくれてありがとう♡

そんなわけで、また明日も稽古に行ってきまーす♪

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