私たちの道場では、毎朝、鳥たちのさえずりが聴こえる中、静座を終えて、正面への礼、先生への礼を行います。そして、その後、準備体操に入る前に、先生から5~10分程度のお話があります。
先生のお話は、毎日、多岐にわたります。
先生は、たびたび、今は亡くなられてしまわれた、先生の先生方の名前を出しながら様々な逸話を紹介してくださいます。
ヨシナガ先生、フルヤマ先生、オカ先生、アカギ先生、、、今までに、何度も、先生のお話の中で、お名前を耳にしています。
また、稽古中にも、先生は、私たちに指導される際、たびたび、これらの先生方のお名前を出しながら私たちに指導をしてくださいます。
「〇〇先生は、手の打ちというのは、言葉ではうまく教えられん!言葉じゃなくて、わしをよく見て、感じて、その感覚を上手につかむんだ!と教えてくれました」とか
「〇〇先生は、小柄な先生でしたが、水が流れるがごとくスイスイと素晴らしい足さばきで剣道をされ、相手をうまく誘いこまれ、巧妙な技で応じ技を決めておられました」
残念ながら、私がハワイで剣道を始めたときには、これらの先生方は、すでに他界されていたり、剣道稽古から引退されていました。

私は今から13年くらい前、
猫年齢6歳頃にはじめたからね
ですので、私は、これらの先生方が、どのような剣道をされていたのか実際に見たことがありません。
でも、何度も何度も、日々の稽古の中で、私の先生が、これらの先生方の名前とともに指導をしてくださったり、いろいろな逸話を紹介してくださることで、私は、だんだんと、これらの先生方から直接、剣道を教えていただいているような感覚になってきました。
私が直接教わっているのは、目の前にいる私の先生ですが、
その先生が剣道を身につけることができたのは、先生の先生方のご尽力があり
その先生の先生方にも、おそらくご師匠様がいらっしゃって、剣道を学ばれたはずだと考えると
なんというか、剣道家系図のようなイメージが私の頭の中に浮かんできました。
すなわち、私がこれまで学んできた数々の剣道の教え、身につけてきた技というのは、決して、私一人だけのものではなくて、こうした、何世代にもわたって受け継がれてきた、過去の先生方のご尽力によるものだということです。

うむ。大切なことに気づいたのぉ
このことを忘れてしまってはいけないな・・・と思いました。確かに、実際に苦しい稽古をこなしたり、なかなかうまくいかないことでストレスを感じながらもそれを乗り越えて稽古を続けているのは私自身ですが、だからといって、今、自分が手にしているものが、自分の頑張りだけで手にしたものと思ってしまうことは、少し傲慢な感じがします。
そもそも、受け継がれてきたものがなければ、私は、剣道を学ぶことはできなかったはずです。
そのことを、過去の先生方が、私たち後世のもののために、ご尽力されたことを決して忘れてはいけないなと思いました。
そこで、ふと思い出したのが、このフレーズです
「生者の世界で自分を覚えていてくれる人が誰もいなくなった時、死者の国からも自分は消えてしまう」
映画だったかドラマだったか漫画だったか忘れましたが、このフレーズを耳にしたとき、なんだか胸が締め付けられる思いとともに、ああ、本当にそうだなあっと感じたことを記憶しています。

私は、20年以上前に死んじゃった
お父さんとお母さんのこと、時々、思い出してるよ
私の先生が、たびたび、先生の先生方のお名前を口に出しながら、私たちに剣道を教えてくださる理由は、私は確認したことがないので、わかりません。
でも、私の先生が、これらの先生方のお名前を出されながら、私たちとお稽古をしていただく限り、私の中で、先生の先生方の剣道が生き続けていくような気がします。
そして、同時に、これらの先生方が、私の先生に剣道を教えてくださったことで、今、私が、先生から剣道を学べることに深い感謝の気持ちが湧いてきます。
このような流れで、剣道を教えていただいている自分としては、この流れが途切れないように、今度は、自分は、次の世代につなげていくことが求められてくることだと思います。
しかしながら、今の自分は、まだまだ、その責務を全く果たしていないと思っています。
もらえるもんは、もらうだけもらって、その恩を返さないまま生きていくのは自己中心的で、なんだか嫌だなあ・・・と感じます。

確かに! でも
今まで、そんな風に考えたことなかったっす
ですので、どうしたら、自分も、この剣道家系図の中に入っていけるかを考えることも、今後の私の大きな課題になりそうです。
しかし、こういうことって、剣道だけでなく、きっと日常生活においても、至るところであるような気がします。
わぁー、課題だらけになりそう・・・

考えはじめたらキリがなくなるかもー
また、うげぇーだわ
そんなわけで、明日も稽古に行ってきまーす♪
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