私たちの道場では、毎週火曜日は、1時間半、形稽古を行います。
今日は、ここ最近、形の稽古をしていて、つくづく感じることをしたためます。
もう十年以上も前になりますが、
私が剣道を始めて、最初に所属した道場では、
普段、日本剣道形の稽古は、行っていませんでした。
しかし、先輩剣士が、近々昇段審査を受ける・・・というタイミングになると
稽古開始後、20分ほどの時間を使って形稽古をしていました。
当時、初心者だった私は、
ある日、突然、剣道「形」という単語を耳にして
日本剣道形が何なのかもわからず
ぽかんとしている間に形の稽古が始まり
何を何のためにやっているのかもわからず
間違えては注意され・・・を、繰り返していました
しまいには、私の繰り返しの間違いに、先生がうんざりされている様子が見受けられました。
その先生の表情に気づいたとき、私は、とても悲しかったです。
そんなこんなで、当然、私は、形の稽古に楽しさを感じることができませんでした。

形稽古、いやーん
わけわからん!
その後しばらくして、今の道場に入門しなおし、10年近く経過した今、
私の日本剣道形に対する考え方は、大きく変わりました。
10本の形の稽古を繰り返し行うことで、
昔の自分が理解できていなかったことが
少しずつ少しずつ分かるようになってきて、
形を学ぶ楽しさを味わうことができるようになりました。

わー
形って、面白い!
例えば、打太刀・仕太刀がお互いが構えあって、
双方が、まず行うことは、「3歩、前に進む」ことです。
この3歩の進み方1つをとっても、学ばなければいけないことが沢山あるということを、
以前は全くわかっていませんでした。
日本剣道形は、筋書きが決まっていて、それぞれの形で、最初の礼から、最後の例までの間に、
さまざまな「理合」と「技」を打太刀・仕太刀ともに協力しあって学びます。
しかしながら、ついついメインディッシュ(?)である「技」の部分ばかりに気がいってしまい、以前の私は、最初の3歩の進み方などには、重きをおかず、注意を払わないでいました。
筋書きに、「3歩進みなさい」と書いてあるから、
とりあえず、ホイ、ホイ、ホイっと3歩前進する・・・くらいにしか考えていませんでした。
しかしながら、今は、自分の中では、この「3歩の前進」が、
日本剣道形を行うにあたって、ある意味、
最も重要なものの1つではないかなと感じています。
3歩の前進によって、何が行われているのかを考えると、
もういいかげんな気持ちで、自分勝手に3歩進む・・・ということができなくなりました。
1歩目にも、2歩目にも、3歩目にも意味があるんだと気づき
自分がこの3歩を、歩み進む間に、
何をしなければいけないか?
何に注意しなければいけないのか?
この3歩の前進が、打太刀・仕太刀、気を合わせてうまくいったときにはじめて
それぞれの形で、学ぶべき「技」の実施へと、筋書きの展開が流れていくのだと思います。
逆に考えれば、この3歩前進が、打太刀・仕太刀との間で、うまく成功しなければ
次に続く技を正しく放つことは、不可能に近いと思っています。
道場で、木刀を持って形稽古をしていても、99.99% 命を落とすことはありません。
でも、万一、自分と相手が人を殺傷できる武器を持ち合って対峙したとき
自分と相手の間に、どのような緊張感が走り、どのような気持ちでもって向き合うのか
人によっては、そんな大げさに考えなくても稽古できるんだから、
そこまで考えなくても・・・と思われるかもしれません。
確かにそれも一理あります。
ただ、私は、ここで、自分自身にたずねます。
わたしは、日本剣道形の稽古を、
昇段審査のためだけの稽古と、とらえてやっていくの?
それとも
筋書きが決まった中で、竹刀稽古にも使える理合、気力・技を学ぶための稽古と考えるの?
これらの問いかけに対する答えは、結局のところ、
自分が剣道を通して、どのような修練を積んでいきたいのか?
そこに、こたえがあるんじゃないかなぁ~・・・と、つくづく思う今日この頃です。
いやー、正直、こういうところまで突き詰めて考えようとすると、頭がなかなか疲れてきます

知恵熱が出そうだー
もう、頭がぐるぐるー
でも、これも、修行の1つなんですよね、きっと。。。
そんなわけで
また、明日も稽古にいってきまーす♪